──家が何年もつか、その「本当の条件」を知っていますか?

「木造住宅の寿命は、だいたい30年くらいかな」 ……もし、皆さんがそんなふうに思われているとしたら、それは少しもったいない誤解かもしれません。

長年、現場で多くの家を見守らせていただいてきた私が思うには、日本の木造住宅(在来工法)というものは、正しく向き合えば、皆さんの想像をはるかに超えて、世代をまたいで住み続けられるほど長持ちするものなのです。

家が早く傷んでしまうのは、決して「木造だから」ではありません。 ただ、家を長生きさせるための「本当の条件」が、まだあまり知られていないだけなんだと思います。

「きちんと」の差が、家の寿命を分ける

新築でも、改築(リフォーム)でも、私が「ここを外したら家は持たない」と考えているポイントは、大きくこの2つに分けられます。

1.水と湿度の対策(木を腐らせない技術)

2.構造と金物の補強(建物の骨組みを強く保つ技術)

ここで、どうしても知っておいていただきたい現実があります。 それは今の建築業界において、「人の技術や目利きの差」が、皆さんが思う以上に大きくなっているということです。

「家という形」が完成していれば、どこも技術は同じだろう……。そう思われるかもしれません。でも、もし本当に差がないのであれば、なぜ新築ですぐに雨が漏ったり、外壁塗装をして数年で不具合が出たりするのでしょうか?

「形」はマニュアルで作れても、現場ごとに違う「雨風の動きとその影響」を正しく見極める目利きの差が、結果として雨漏りという形で出てしまうのです。

安く済ませるつもりが、最も「お金がかかる家」に

「どこに頼んでも同じだから、それなら見積もりが安い方がいい」と、金額だけで判断してしまうのは、実はとても怖いことです。

技術不足の業者が、目に見える部分だけを綺麗に整えても、根本的な原因は残り続けます。それどころか、間違った施工で建物の内側に水を閉じ込めてしまい、数年後にまた膨大な費用をかけて直すことになる……。

結局、「安く済ませようとしたはずが、一番お金がかかる家」になってしまっているケースを、私は修理の現場で何度も見てきました。そんな「負のループ」に、どうか気が付いてほしい。そう願っています。

現場の人間として、伝えたいこと

私は今の業界の現状に、一人の職人として危機感を持っています。 だから、このブログでは、私が経験してきた「家を長持ちさせるための本当の条件」を、飾らずにお話ししていこうと思います。

「塗装をすれば安心」「新しい材料を使えば大丈夫」……そんな表面的な言葉に惑わされないでください。

もっと根本にある、雨風の動きとその影響を見極めることや、家族を守る「骨組みの守り方」について、一つひとつ紐解いていきます。これを知ることは、皆さんの大切な財産と、これからの暮らしを守る力になるはずですから。

まずは第一のポイント、「水と湿度の対策」から、じっくりお話しさせてください。